はしれ

朝も早くから近代美術館へ。
しかしそもそも現地に着く予定時刻が10時だった上に、実際に着いたのは11時半。
刻限を守れない人間の面目躍如です。躍如してどうする。なんか真面目にごめんなさい。
俺がメロスだったらセリヌンティウスは死にます。というか王様も寿命で死んでる。きっと妹も婚約者も骨になっている。ホネホネロック。ダンシングフラワー。ミュージカン。
とにかくごめんなさい。


で、肝心の靉光
細密画とかがやたら面白い。
面白い、おいしい、に高い評価を置く塩味としては初期の素描とかはちょっと退屈だったような。
時代の変遷によって、画風、モチーフがあっちこっちへと変わっていく。
墨を使った絵巻物から、ややシュルレアリスムを帯びた油絵まで。作風が広い。
自分の息子娘よりも鳥とかおこぜ描いてる時の方が絶対楽しんでる。
満州に居る時、口で絵の具の蓋開けようとしたら唇が金属にひっついたという挿話に同情。


なんで自分が絵画におけるシュルレアリスムを好むのだろうかーとか考えつつ鑑賞。
常設店を観て思ったんだけれど、やっぱり北脇昇も福沢一郎も好きでして。
細密な日本画も好き。緻密に作りこまれたものには一種の心地よさが伴っているような。
何かものを作るとき、かくありたいと思うのですが、実行はなかなかに難しい。
クオ・ヴァディス以外の作品も実際に観てみたいなぁ。
ちなみに村上春樹の「神の子どもたちはみな踊る」の文庫版表紙挿画は北脇昇の「空港」という絵です。


同時に併設されていた展示が小粒ながら非常に楽しかった。
やなぎみわさんという写真家さんのエレベーターガール物量作戦みたいな感じの作品とか、延々泥を浴びて入浴しているお姉さんとか。キャベツ頭とか。

普段だと結構せかせか見回ってしまうんだけれど、ゆったりと時間をかけてものを鑑賞するのも悪くはないなぁと思いつつ。
ただし足がむくむ。ビバ立ちっぱなし。


あらしのよるに スタンダード・エディション [DVD]

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あざとい、あざといぞおおおおおおおお!
何点か不思議に思う箇所もあったけれど、ここまであざとく作られたら降参するしかないじゃないか。