エロ関連として、ではなく

中世の非人と遊女 (講談社学術文庫)

中世の非人と遊女 (講談社学術文庫)

大変面白く読みました。塩味は兼ねてより芸能民というか、特殊な技能を持った人々が社会においてどんな感じで扱われてきたか興味を持っていたので(ネタにしてみたかったというのが直截な表現かも)、ロマ族とかそのあたりの本と一緒にこれを買い求めました。学術系の本って文庫でも高いですね。
犬神人(いぬじにん)という語感と、そのファッションが格好いい。一遍上人聖絵は受験勉強していた頃から変な絵だなとは思っておりましたが(なにしろ一遍が黒人だ)、こういう風俗資料、特に非人階層の史料になっているとは思量すべくもありませんでした。
中世期の文献史料というのは西日本中心らしく、本書でも東日本での非人・職能民たちの動向は詳述されていませんでしたが、歴史学に造詣の浅い塩味を満腹にさせるには十分です。