短歌

ぼっけぇ

他意はない他意はないはずあの子がねチェリーのジャムを好んで喰うのに 他意はない他意はないんだわたしがねホワイトソースを好んで喰うのに 他意はない他意はないんだ牛股がいくの乳首を好んで喰うのに

作者の意図を想像し、最初の一首の意味を解釈せよ。

冬篭りはるみもきかずこのごろはみなありあけにいでしつきかも 囚人のように白黒ボーダーの着こなし術を覚えたエチカ 口引っ張って「くるま」って言ってみてご覧「くるわ」って聞こえるから 日記読んでぐちゃぐちゃなシーチキン掻き回す宵は明るい 冷麺のさ…

鉛筆削りに指入れて瞼を閉じれば十六夜の月 タンスにシールを貼る作業を止めぬ年長あやめ組労働者 鼠に足齧られる罰を千年受けよと叫んだ老婆の喉笛からひよこ

クリスマス

糸降る夜高架下の静けさに詩人の注ぐモルトは紫になり 白い世界でそっと杉と柊を放射能が灼く幻想をじっとみている さざなみの雪 人の吐息でしらじら満ち踏まれ かの人は十字架にて声もなく 暁光囁く「今日のちびまるこが終わればすぐ月曜日であるよ」 憂鬱。